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映画ライフオブパイの超長編ネタバレ/その他映画のレビュー/あと気がむいたときに羽生くんを応援

『殿、利息でござる』その2

●オープニング・テンプレ●●●●●●●●●●●●●●●●●●
このブログは基本 映画のネタバレ レビューです。

作品をまだ観ていない方はご遠慮ください。
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今回は『殿、利息でござる』

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【慎みというワード】

猛暑のなか7千字越えるとちょっと脳が溶けました。
仕切り直しで真面目に。

「慎み」というのは、「厳禁」とは意味が違う。
「なるべくそういうことはしないようにしよう」「そうならないよう気をつけよう」という猶予をもたせた言葉です。だから掟違反に対する罰則もない。
硬直化・形骸化を防ぐため、成文憲法を持たない英国のそれと似てるかな。いい意味での島国的曖昧さ。

余談だが、球技で一番ルールが少ないのが英国発祥の蹴球で、ルールの条項が一番多いのはアメリカ発祥の野球だそうです。
ベースボールって、ラフで自由な感じがするけど、細かい取り決めの上に成立する自由なんですね。移民の国だから、島国的な暗黙の了解に頼っていてはうまく回って行かないんだと思います。

だから、国策で移民を受け入れるなら、業務でも社会権でもきちっと法整備してからじゃないとやばいわ。後手後手にまわってると、トラブルが起きるたび、これだから外国人は…とヘイトが吹き出して収集がつかなくなる。
日本人同士だっていつもいつも暗黙の了解が通じるとは限らないんだし。「そのくらい言わなくてもわかるでしょ」は、もう通用しない世の中になるでしょう。今後は。

あーと、えーと、それで、どういうときは原則を貫いて、どういうときには掟をゆるめてもOKなのか? の切り分けですけど、慎みの答えはちゃんと作中にある。
菅原屋が借金棒引きをほのめかしたり、功名心を捨てきれない遠藤寿内(西村雅彦さん)が住職にせっついたりする場面では断固として拒否。
けど、お上への訴状では先代浅野屋の遺訓を破って、その実績(銭を貯め、子に受け継がせ、しかも他言を禁じたこと)もオープンにしている。
もし頑なに他言厳禁なら、萱場が心を動かされることもなく悲願は叶わなかった。

何のための掟なのか を考えればおのずと切り分けの基準は見えてくる。


ほんで書き出しに戻るけど、羽生君の小学生時代のエピソード、仙台の羽生ファンなら当然知ってるはずだけど、みんな慎んで敢えて書かないのだとしたら、私 顰蹙だなあと不安この上ない。

つか、大幅に遅れて観にいって、その間、既出のレビューとかネットの書き込みとかいっさいシャットアウトしてたので、一回目観たとき、ラスト「えっ、今 敷居踏んだ!?」ってびっくりしてしまって、どうかアンチが気づいていませんように〜 なんて必死で祈ってました。ほんとズレてるわ自分。
映画公開前にすでに紛糾していて、とっくに沈静化してたのね。よかったレビュー書く前に気づいて。もし知らずに、自分が第一発見者みたいなレビューを投稿してたらと思うと冷や汗モンですわ。ブログ閉鎖して夜逃げするところだった。やっぱ2chはチェック入れとかなきゃだめだな。

という恥ずかしい経緯があったので、「僕らは元気に営業中」の件も、いまさら指摘したら世間の失笑を買うのでは? と、マジ不安。

もしそうなら、レビューもブログもいつでも削除する用意がある。
傷口が広がらないうちに、親切な方、どうかこっそり耳打ちしてください。お願いします。